SHORT STORY 過去に捧げたものたち

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 ふわふわの頭とか、好きな食べものとか
 誰かにつけ込まれてもうっかり赦してしまう
 そういう、ゆるさとゆーか、懐の深さとゆーか
 一緒にいると居心地が良かったりするあのヒトを
 例えるなら――――

――――――――――――――――――――
 あまいヒト-1
――――――――――――――――――――

 障子越しにも外の冷えた空気が室内に伝わる。陽の射す時間は短くなって、季節は確実に冬へと傾いていた。
 まあ、春だろうと夏だろうと秋だろうと……
 其処まで思って、真選組副長・土方十四郎は煙草に火を点ける。
 テロも事件も総悟の後始末も……
 堆く積まれた書類の山と、灰皿に山となった吸殻にうんざりして溜め息をついた。
 ひっきりなしだな。まるで休まりゃしねぇ。
 眉根を寄せて手元の書類と向き合う。積まれているのは真選組を好く思って居ない、無駄に偉ぶるばかりの上に提出しなければならない無意味な書類。警視総監松平片栗虎、真選組局長近藤、同じく副長土方共々、明日の朝一番で呼び出しをくらっているため、其れまでに仕上げなければならない書類。
 吸いさしの煙草を吸殻の山に突っ込んで揉み消す。
 ったく。何でこんな意味も無ぇモンを大量に作るために時間を費やしてやらにゃなねぇんだ……
 其処まで思って、ふと、庭に在る人の気配に気づく。瞬時に左手が刀にかかり、気配のする方へ意識を集中した。 日付が変わる時刻も近い。此れが山崎のものならば直ぐにわかる。真選組に、こんな薄い気配で近づいてくるような人間は……
 からりと障子が開かれた。
「――――っ、」
 緊張して視線を向ける。が、相手を確認するとあっさりと緊張は解けた。
「……ンだ。てめーかよ。」
 現れた姿に拍子抜けする。
「ンだって、何だよ。折角来てやったのにそういう態度?」
「誰も来てくれなんて頼んじゃいねえ。」
「カリカリしちゃってんね〜。部屋、煙で真っ白よ?」
 現れた相手は部屋に上がり込むなり、ぱたぱたとてのひらを動かして煙をはらう仕種をする。
「万事屋、こんな時間に何の用だ?」
「お、本気で機嫌悪ぃのな。」
 ふたりきりにも係わらず、あえて『万事屋』と呼んだ。だが相手は気にした様子もみせずに続ける。
「そんな、ロクに外出も出来ず屯所に缶詰めの可哀相な副長さんに、」
 すとんと隣に腰を下ろして、もったいぶるように何かを取り出した。
「おら、差・し・入・れ。」
 弾んだ声で云うと、ずいと目の前に一升瓶。
「……仕事中の差し入れが一升瓶……って莫迦にしてんのかオメーはアアアアアッ!?」
 立ち上がって叫ぶと、とろんとした目で不満気に睨まれた。よく見ると僅かにだが、頬が紅い。
「てめー……呑んで来たのか?」
「ちょっとだけね。」
 すい、と近づいて来て、へらりと気持ちヨさそうな笑みを向けられる。
「此れさ、知り合いから貰ったモンなんだけど、俺もう結構呑んでたから。どうせならお前にも呑ませてやろうと思って?」
「……おい。つい数秒前にてめーちょっとしか呑んでねーつっただろうが。」
 口から零れるに任せた適当な云いよう。睨みつけると、ことりと小首を傾げられた。
「……だっけ?」
「…………。」
 常ならば憎まれ口のひとつでも叩きたくなるような、いい加減さと人をなめきった態度。この口先の適当さ。 だが、近過ぎる距離と、其の仕種に思わず絆された。
「……ん?」
 此れが……
 銀時が、時折みせる、此れ。
 ……三十路も近い野郎の可愛さかよっ
 不覚にもそう思ってしまう自分を、もう本気で殴り倒してやりたい。口に出せば弱みを握られる事にしかならないので呑み込んでおくが、日頃の態度とのギャップ故か、あまりにも可愛いと思わされてしまう、此れ。
 ほろ酔いでいつもより近づきたがる。向けられる笑みがやわらかい。普段の挑戦的なニヤリ……ではなく、どこか幼くみえる笑み。油断しきった……というよりは、安心しきった表情。いつものあえて作られたようなツラじゃない。素の状態で甘えられている……と、自惚れではなく判ってしまう此れ。
 あっさりと毒気を抜かれてしまう。
 …………末期だ
「んで、一升瓶抱えて屯所の門をくぐったのかよお前は。」
「一応気ぃつかって、今回は塀から。」
「……酔っ払いが。落ちたらどうする気だよ。」
「ンなヘマすっかよ。何? 心配してくれてんの?」
 ニヤリと笑って、酔っ払いに特有の絡み方で、くたりと背中に圧し掛かって来る。酒の所為か、体温が高い。首筋に銀時の髪がふれて、さらりと揺れた。
「――――っ、」
 ぞくりと、肌が粟立つ。銀時の匂いが鼻先をかすめる。
「何、書類溜まってんの?」
 後ろから腕を伸ばして作りかけの書類に手を出そうとする。
「コラ、其れにさわんなっ、」
 が、銀時の手は途中で落ちて、違う処に向かった。
「……こっちは?」
「――――――――っ!?」
 布越しに急所にふれられて、思わず固まる。
「溜まってる?」
 確信をもって、カタチを変え始めていた其処を指先が辿る。ふれられた途端に質量も硬度も瞬く間に増していく。
「出すッおい、」
「ん〜……、」
 制止のつもりで声をかけたが銀時の手は止まらない。まるで寝起きのような不確かな声を返して、余計にぴたりと擦り寄ってくる。
 ちょ……っと、待てって……っ!!
「――ッ山崎ィイイイイ!!」
 堪らず叫ぶと五秒と経たずに山崎が現れた。
「はいいいい!?」
 怒鳴るように叫んだおかげか、血相を変えて部屋に飛び込んでくる。
「どうしました副長ッ!?」
 スパァンと勢いよく障子が開かれる。
「……と、旦那?」
 背中に圧し掛かる銀時を見つけた瞬間、山崎が固まる。
 アレ、マズイ?
 俺、マズイ現場を目撃しちゃった?
 でも今すげえ急ぎっぽい感じで俺を呼んだのは副長だよね?
 とでも思ったのだろう。
「あ、すいません。俺、副長に呼ばれた幻聴を聞いちゃったみたいで。お邪魔しました、失礼します。」
 ぺこりと頭を下げるとあっさり退出しようと踵を返す。
「幻聴じゃねーよコラ山崎ィ!!」
「いやあの、いくら何でもそういう事の最中に呼ばれるのはちょっと……、」
「ちっげェ莫迦!!」
 叫びながら背中にひっついていた銀時を引き剥がす。
「風呂に清掃中の札でも立ち入り禁止の札でも下げとけ!!」
「はあ?」
 突然の意味不明な命令に山崎が素っ頓狂な顔をする。
「酒くせぇんだよコイツが!! 仕事の邪魔になるんだよ!! だから、ちょっとコイツを風呂場に突っ込んで来い。」
「はあああ!?」
「何云ってんですか副長!?」
 銀時と山崎が同時に意義を唱えるように声を出す。
「んだよソレ!? おめーだって煙草くせえくせに人のことにばっかりケチつける気かゴルァ!?」
「おめーはちょっととか云いながら実は全力で酔っ払ってんだろうがあぁ!? こんな時間に屯所から酔っ払いの不審者なんぞ出せると思うか!? さっさと酔い覚ましてせめて単なる不審者になって来い!!」
「あー……もう、面倒くせー男だなぁ。」
「おめーがだよ!!」
 文句を云いつつも銀時はふらりと立ち上がる。大人しく風呂場に向かってくれるのかと思いきや、見おろす視線。子供くさい仕種であっかんべー、と舌を出され、その舌を思わせぶりに動かす。
「て……っめーは、」
 あらぬ想像で、ずくりと疼く腰。本気で勃ち上がりそうになる自分を何とか自制する。
「俺が急ぎの書類片づけなきゃならねーのがわかっててあえてそういうことしてんだろこのドSがっ!!」
「あっそう。全っ然カケラも気づかなかったわ。」
「一番最初に気づいてただろうがオイイ!?」
 銀時は云うだけ云って、反論した時にはもう此方に背を向けて風呂場へと向かい出していた。
「ええ……っと、」
 戸惑った様子の山崎に問われる。
「とりあえず、今だけ風呂場は旦那の貸切ってことで?」
「ああ。」
「まぁいくら万事屋の旦那とはいえ、屯所の風呂に堂々と民間人がつかってるってのもアレですからね。」
 ちくりと刺された。暗に(というか露骨に)いくら自室とはいえ、屯所の中でそういうコトをするのはどうかとでも云いたいのだろう。だから、たった今理性の糸がぶっつり切れて押し倒しそうになるのを全力で耐えてみせただろうがと、云ってやりたい。
 酔っ払いのとろんとした視線。甘えた態度と温かい体温。
 何よりも――――
 銀時の匂い。
 危なかった。アレは本気で危なかった。危うく書類も何も放り出して即座に押し倒す寸前だった。
「因みに山崎、」
「なんでしょう?」
 鞘から抜いた刀身を、山崎の肩にとん、と置く。
「覗いても覗かせても切腹だからな。」
「……十二分に心得てます。」
 冷や汗をかきながら退出する山崎を見送って刀を納める。銀時が風呂に入り終わるであろう時間、それまでの僅かな時間を計算する。手元の書類と向き合う。先程とはやる気の度合いが違う。時間が惜しい。
「こんなモン、」
 こんな下らない書類にかかずらっている場合ではなくなった。
「即、始末して……、」
 書類に筆を走らせる。其れはもう、尋常ではない速度で。
 銀時が戻ってくるまでに総ての書類を片づけて――――
「絶対にあの莫迦を押し倒してやる。」



 銀時が部屋に戻るなり、袖を引いてその場に押し倒した。咬みつくように口吻けると、愉しそうに喉の奥で笑う。
「さっきしないって云ったじゃん。」
 風呂で酔いは醒めたのだろう。先程よりはいくらかはっきりとした表情で云われる。
「何でそうなるんだよ。……ったく勿体ねぇ。」
「何がだよ。」
「さっきの可愛さは一体ドコに行ったんだ。」
 ぺろりと耳朶を舐めて囁く。
「……っん、気に入らねーなら放せよ。」
「誰がンな事云った。」
「自分勝手な男ってサイテー。」
 銀時は棒読みで云いつつ、素直に此方へ腕をまわす。ふわりと、石鹸が香った。
「アレはそんなに急ぎの書類だったのか?」
 湯上りでしっとりと汗ばむ肌に唇を這わせる間に問われた。
「朝イチだよ。」
「銀さんの誘惑はその書類に負けたのか……ショックだなぁオイ。」
「ふざけんな。一枚たりとて片づいてねえ書類を抱えて、日付をまたぐ寸前だったんだぞ。」
 わざと不機嫌そうな声にして、口に含んだ胸の突起を強めに咬んだ。
「ィ……あ、」
 痛いくらいかと思ったのに気持ちヨさそうな声で、銀時の背が綺麗に反る。
「ンな状態だっつーのに、危うくあのまま押し倒すトコだったわ。」
「押し倒してくれてよかったんだけど?」
「てめーに誘われるまま押し倒してたら、なんか負けた気ぃするだろうが。」
「どっちにしたって最終的にはするくせに。」
「るせぇ。」
 乱暴に口吻けて、まだ云い足りなさそうな唇は塞ぐ。照れ隠しなのはわからないでもないが、それでいつまでも喋らせていたら終わらない。
「……っん、ふ、」
 隙間から零れる声も塞ぐように唇を重ねて、舌先で咥内を弄りまわす。硬くなった胸の中心を指先で捏ねるたび、びくびくとはねる身体。
 ……ったく。
 煽られて、ふれられてもいないのに、中心が硬くなって勃ち上がる。
『溜まってる?』
 銀時の掠れた喘ぎ声に、先程の言葉を思い出す。
「――――っ、」
 其れに反応して、また硬くなっている器官に熱が篭った気がした。直ぐにでも自身を埋め込みたくて、ぬめりを纏わせた指先で身体の中を探る。絡む内壁が熱くてやわらかい。
「っひ、あ……っく、」
 指の腹でそっと内壁を擦ると、か細い悲鳴。
「っく……あ、ぃあ、」
 しつこく反応する処ばかりにそっとふれていると、銀時の腰が揺れる。
「て……っめー……、」
「あ?」
 中を広げるように埋め込む指を増やす。室内に衣擦れと荒い吐息、押し殺された喘ぎ声が満ちる。
「っん、く……ぅ、」
 あえて濡れた音が響くように抜き挿しを続けて、指先だけが中の急所にふれるような動きを繰り返す。
「ひ――――っイ……ぃあ、」
 がくがくと震えて、必死で縋りついてくる。
「そ……こ、いい加減、ヤメ……ロ、」
 ヤメロと涙目に訴えながら、身体の中はひくつく。
「も……ヤダって、」
 ――――たまんねェ。
 このまま問答無用で押さえつけて、衝動のままに一気に突っ込んで、中を滅茶苦茶に掻きまわしてやりたい。ぐちゃぐちゃにしてやりたい。
 ――――けど、
「何がヤなんだよ。」
 痛みより、無理やり捻じ込まれる苦痛より、
「其処ばっか……も、イイって。入る……から。」
 純粋な快楽に、悲鳴をあげさせてやりたい。
「自分勝手呼ばわりされちゃあな。」
「……はあ?」
 ゆっくり、中でぐるりと指先をめぐらせる。
「く……あ、――――っ!!」
 一際おおきく反応する銀時の肌を、もう片方の手で辿る。
「気を遣わざるを得ねーだろ?」
「何……っひ……う、」
 勃ちあがって透明な先走りを零す銀時の鈴口を吸いあげて。
「ちゃんと痛くねぇように、」
「……おい、」
「存分に慣らしてから突っ込むことにするわ。」
「っちょ、」
 優しくすると宣言したにも係わらず、何故か後ずさろうとした銀時の脚を自分の脚に絡めて、脛の下にしっかりと押さえつけた。
「ん……っやめ、っああ!!」
 欲情を示す屹立を口に含んで先端の窪みを舌先で抉る。硬くなった其れを吸いながら、更にゆっくりと埋め込んだ指を内壁に這わせる。
「っや、も……やだ……っあ、っあ、」
 少し動かすだけで面白いくらいにはねる身体。必死に閉じようとする脚が震える。
「銀時、脚……ちゃんと開いてねぇと後ろが解せねー。」
 膝の内側を舐めながら云うと、此方を睨んだ双眸から涙が零れた。
「ば……っか、か。」
 金魚のようにはくはくと口を開いて、口唇が透明な唾液で濡れる。
「十分だってば、も……ぅ、」
 息も絶え絶えに云う。欲しくて堪らないといった表情に嗜虐心が煽られる。
 けれど、もう少しだけ――――
「終わった後、いっつも痛がるだろうが。」
 焦らしてやりたい。翻弄してやりたい。
「あと少しだから、」
「も……無理……っ、」
 言葉は途中で遮られた。
「――――っ!?」
 シャツの襟を掴まれて、吸いついていた脚のつけ根から力任せに引き上げられる。
「も、さっさと入れろっ、」
 ぶつけるように唇を重ねられた。
「ひ……じ、かたァ……、」
 涙に濡れた紅い双眸。少しだけ舌足らずな口調。懇願するように名前を呼ばれる。
「欲し……ぃ、って、」
 瞬間。アタマの中で確実に、ブチンと音をたてて何かが切れた。
「――――ッく、」
 衝動に任せて、気づいた時には身体が既に動いていた。
「っひぃ……っあああ!?」
 ずるりと絡む内壁が熱い。余程丹念に解したせいか、乱暴に突きたてたにも係わらずあっさりと奥まで呑み込まれる。進める限りギチギチと腰を進めた。
「ぅあ……っく、……あ、」
 奥を抉るように腰を動かすと、銀時がびくびくと震えた。貫かれると同時に吐精したらしい。反り返る屹立の先端からぱたぱたと白い体液が零れている。
「こっちだけで……達ったのかよ。」
 喜色を隠せずに呟くと、本気で睨まれた。ゆっくり腰を引くと中がひくつく。
「だ……から、ヤだって、」
「ン……っとにおめーは、」
「え? ――――っうあああ!?」
 ぎりぎりまで引き抜いてから、震える中を奥まで一気に穿つ。
「ちょ……っや、あ……っうああ、」
 達したばかりの銀時が悲鳴をあげるが、止まれない。寧ろその悲鳴に煽られて、余計に止まれない。繰り返し繰り返し、銀時の身体を引き寄せて深く貫く。
「ン……っや、だ、ちょっと……待てって、土方ァ!!」
 繋がった処からぐちゃぐちゃと卑猥な音が聞こえる。
「待てる……か、よ。」
「ひ――――ィや、ああ、く……っあ、」
 止まれない。頭の芯が麻痺したように、ただひたすら欲しくて堪らなくて、腰を進める。
「っあ、あ……ぃあ……っああ!!」
「すげぇ、乳首……たってる。」
「ひ……じ、か……っあ、……ヤああ、」
「トリ肌たってんじゃねぇか、エロイな」
「ふ……あ、あぅ……あ、」
 頭の片隅で、このままコイツを壊してしまえたらと、出来もしない事を考えながら、銀時の身体を貪る事に集中する。
 涙を零して彷徨う視線と、揺さぶられるままに啼き続ける喉。
「ヤ……ァ、イく……って、また、ヤダぁ、」
 イヤだと繰り返しながらも、銀時の身体は与えられる快楽を必死で追う。硬く尖った胸の突起を指先で捏ねつぶして、突き上げを更に激しくする。
「イけよ……好きなだけ、」
「ヤダ……っつって、ア……っあぅ……あ、ヤ、」
「ヤ、じゃねぇ……っ!」
「――――っあ、ぅあア!!」
 先端で中にある銀時が弱い処、其のただ一点を目指して腰を進めて揺する。既に意味の無い喘ぎしか零さなくなっている銀時。口端をつたう透明な唾液を舐め上げて、濡れた唇を啄むように口吻けた。
「中……出す……っぞ、」
「あ……っや、ア、ナカ……ぁ?」
 虚ろな視線に問い返されるが、もう答えられない。既に一度出した銀時とは違う。
 こっちは延々てめーを焦らして、その間直ぐにでも突っ込みたいのを我慢して、ンな乱れまくったサマ見せられている。
 いい加減に――――
「限界……なんだ、っよ。」
「くぅああ、っあぅ!?」
 開放を求めて激しく抜き挿しを続ける。
「ヤ――っア、ひゃああっあ――っああ!!」
 銀時が先に達った。二度目の吐精。
「っふ、く……ぁ、」
 ひくひくと内壁が震える。絞るように動く其の収縮に引き摺られて、奥の方に欲情を叩きつけた。
「っは、」
 激しく動いて乱れた息をゆっくりと整える。銀時はまだ乱れた呼吸もそのままに身体を投げ出していた。
「……大丈夫、か?」
 そっと頬にふれて問うと、ようやく銀時と視線が合う。
「どん……だけ、だよ。てめーは。」
「あ? どうせ褒めるんだったら、もうちょっと可愛げのある褒め方しろよ。」
 まだ強がるだけの余裕はあったらしい。
「二回……も、イかせやがって、」
「だから、褒めるんならもうちょっと可愛げのある褒め方しろっつっただろ。」
 ちゅ、と音をたてて銀時の唇を啄む。
「ん。」
 大人しく其れを受ける処は可愛げがあるのに。
「も……イイだろ。抜け……って。」
 身体の中に打ち込まれた楔から逃れようと、そっと身体を押し返してきた。早々に離れたがる。
「お前が二回で俺が一回ってのは不公平だろ。」
「…………は?」
 銀時が目を丸くした。
「ちょ……っと、土方君? 意味わかんないからね? 明日……ってかもう今日だけど、仕事あんだよね? 早いんだよね?」
 声を潜めて早口に云う。
「あぁ? ンだって? 声が小さくて聞こえねーよ。」
「ってめ――――っわ!?」
 間違いなくしっかりと聞こえてはいたが、あえて聞こえなかったふりで銀時の両腕を捕らえた。
「ば……っか、本気でもぅ無理だって、」
「俺がまだ、足りねぇんだよ。」
「俺はもう充分だ!!」
「酷くはしねぇよ。」
「其れが余計にしんどいんだっつーのっ!!」
 思わず、といった感で銀時が叫んだ。
「……ほぅ。」
「……あ!?」
 云い終わってから失言だと気づいたのだろう。
「ヨ過ぎてツライと。」
「ひとっことも云ってねえええええッ!!」
「云っただろうがたった今。」
「ちょっ、オイ動く……な……っん、ああ、」
 繰り返せば繰り返すだけ、敏感な反応を返すようになる身体。
「ンなこと云われて止まれるかよ。」
「てめっ、サイっテー……、あ、」
 中で吐き出した体液が混ぜられて卑猥な音がなる。
「ん……っふ、あ、」
「放せなくなるのわかってんだろが。」
 煽られる。
「ンなふうにされたら、」
「っや……っだ、も――――あああっ!!」





20131219改(KTサイト70000打リクエストより)


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