なあ兄弟、こんな言葉を知ってるか?
『心は身体についてくる。』
『事実は言葉についてくる。』
身体が繰り返したことと、言葉にして言い続けたことは、ホントウになるんだ。
だから俺は、試し続けてみようと思う。
どこまで繰り返せば、お前の心が、お前のしたことについてくるのか。
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Stay gold 3
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金時が万事屋に加わってからの三日目。
今日も早朝から出勤していた新八を加えて、金時、銀時、神楽の万事屋メンバー全員が揃って朝食を摂っていた。
「……今日も銀ちゃんの目が死んでるアル。」
いつもより格段に早い時間帯に金時に叩き起こされること二日目、またもや銀時はぐったりとしていて、瞼もほとんど開いていない。
「銀さん、また夜更かしでもしてたんですか?」
「してねぇよ。昨日の朝からあんなにぐったりしてたんだぞ? いくら俺でもたまには早く寝ようとか思うわ。」
「その様子だと、ちっとも早く寝れたようには見えないんですが?」
「いったいどうしたってんだ兄弟。」
神楽、新八、金時に一斉に視線を向けられた銀時は、憮然とした表情のまま金時だけを振り返り、ぽつりと呟いた。
「……何でだろうな。俺、今すっげぇテメーのコトを打ん殴りてー気分だわ。」
「ちょっと銀さん、寝付きが悪かったからって、金さんに八つ当たりは止めて下さいよ。」
「そうアル。夜中にやたらモソモソ動いてる気配がしてたから、寝れないってことは、まだまだ体力が余ってる証拠かもしれないネ。」
「……は? 冗談だろ? すっげぇ熟睡してたはずだぞ俺は。そりゃ……夢くらいは見てたと思うけど……よ、そんな……モソモソって、動くような……、」
己の記憶を探りながら答えた銀時の言葉は、とても自信なさ気なものになっていた。
早くに寝入ったのは間違いない。布団に入ろうとする自分の隣で、身体をバラしてメンテナンスする金時に「鬱陶しいから外でやれよソレ」と言いながら、その時点で瞼が重くてしかたなくて、横になるなり、あっさりと眠ってしまったはずだ。
しかし、再びおかしな夢を見た。
またもや誰かも判らない相手の上に跨がらされて、何度もイかされた。酷く喘がされた。
二日間連続で、誰とも判らぬ相手に滅茶苦茶に喘がされるという、とんでもない夢。
――――ケツの中に、何かとんでもねぇモンが突っ込まれてる――――……っ!!
「……っ!!」
夢の中で、そう慄いた自分を思い出し、戦慄する。
「なあ神楽、もしかして、俺……、その……何だ。お前んトコにまで聞こえるような声で、魘されたり……とか、してたか……な?」
そろりと神楽に視線を向けて、恐る恐る聞いてみた。
夢に魘されていたというよりは、明らかに誰かに喘がされていたわけだが、まさかそのように問えるはずもない。
「トイレで起きた時だったから、私の処まで声が聞こえてきてたわけじゃないネ。」
「ああ、そういえば、夜中に一回起き出したもんな、神楽。」
金時が思い出したように相槌をうった。
「気づいてたアルか?」
「部屋の前まで来てただろ? サーモセンサーで気づいたんだよ。」
「――――ッ!!」
その神楽と金時のやりとりに、銀時は思わず背筋を冷やす。厭な汗が瞬時に噴き出した気がした。
神楽に感づかれたかもしれねぇ――――!?
いくら少女とはいえ、彼女を侮ってはいけない。かぶき町で日々を過ごし、吉原の現役遊女を何人も友人にしているのが、この神楽だ。たとえ夢の中を覗くことは不可能でも、気配だけでおかしな夢を見ていたことに気づかれたとしても不思議はない。
まるで記憶も自覚もないが、あのような夢を見ていた自分が、寝ながら何をしていたの何てわかったモンじゃない。無意識のうちに勃ち上がった己の器官に指を絡めて扱いていた可能性だってある。それくらい、激しく乱された夢を見ていたのだ。
「銀ちゃんの部屋からもそもそ動いてる気配がしたから、気になって覗いて見ようと思ったアル。」
「…………っそ……か、俺、変な夢でも見て、魘されてた……とか、かな?」
視線が勝手に泳ぎ、肌に滲む冷たい汗の量が増えていく。
「そうみたいアルな。部屋を開けてみようとしたら、銀ちゃんの苦しそうな声が聞こえてきて、金ちゃんが銀ちゃんに『大丈夫か? しっかりしろ……』って言ってるのが聞こえてきたネ。……銀ちゃん、怖い夢でも見てたんじゃないアルか?」
体力が余っているのではないか……と言った時とは打って変わり、心配そうな視線を向けられる。
悪い夢を見ていたのだと思われているらしい。夜中は夢に魘される自分のことを金時に任せておくことにしたらしいが、気にかけてくれているようだ。
あらぬ夢の気配を疑われているのではないと知り、そうなると、今度は途端に申し訳ない気持ちが込み上げてくる。
「そ……う、そうなんだよ。やたら怖ぇ夢見ちまってさ。内容はよく覚えてねーんだけど、悪ぃな。何か、気にさせちまって。」
実際、恐ろしい夢ではあった。夢の中での出来事とはいえ、誰かも判らない相手に抱かれ、あそこまであられもない姿を晒していたのだ。思い返して、身体の中心に熱が溜まると同時に、空恐ろしい気持にもなる。
「あ……そうだ。サーモセンサーって、金さん、ひょっとして夜も休んでないんですか?」
神楽と銀時が神妙な表情になり、沈んでしまった朝の空気を振り払うかのように、新八が話題を変えてくれた。
そういえば……と、銀時もそれは気になっていた。
自分とて人の動く気配にはかなり敏感な部類のはずだが、神楽が部屋の入り口まで来ていたことにはまるで気づかなかった。それくらい夢に翻弄されていたと言われればそれまでだが、金時がいなければ、おかしな夢を見ていたことを神楽に気づかれたかもしれない。
――――って、あれ?
銀時はふと、何か腑に落ちないことがあることに気づいた。
……あれ、何だ。何か俺、おかしくねぇか?
寝言で変な声でも出して、夢の内容を神楽に気づかれるのは、当然、困る。しかし、普通に考えれば金時にだってあんな夢を見ていることを知られるのは絶対に避けたいことのはずだ。
……やべー。コイツ(金時)のことを完全に忘れてた。同じ部屋にいたんだから、神楽よりも何よりも、先ずはコイツに気づかれることを心配しなきゃなんねーだろ?
意味わかんねーセンサー満載で音声だのサーモセンサーだの何だのかんだのを勝手に起動させてんだぞ?
当然こっちのほうを先に心配…………
そこまで考えると、ふと頭の中の動きが止まる。
あれ……?
思考がぴたりと止まってしまって動かない。
何を…………心配すんだっけ?
「燃料さえ補給できれば、カラクリの俺に睡眠は必要ねーからな。万事屋を襲おうなんて莫迦なことを考えるやつはいねーだろうけど、念の為、な? 俺に内臓されてるセンサーで事屋内での人の動きはチェックしてたんだよ。」
「さっすが金ちゃん、頼りになるアル。」
「何だかすみません。そこまでしてもらっちゃって。」
「気にすんな。珍しく報酬で貰った現金も結構な額が置いてあるし、盗まれたりなんかしたら困るだろ?」
戸惑う自分は完全においてけぼりをくらい、完璧な万事屋の代理リーダーに尊敬の眼差しが向けられている。
……んで、俺は今、何でかコイツを、無性に打ん殴ってやりてぇ気持ちになってんだけど、どういうコトだこりゃ?
腹の底からフツフツと湧き上がる衝動に、銀時は拳を握り締める。
衝動の赴くままに殴っちゃいたい気持ちなんだけどどういうコトだよこりゃ。すっげー腹立つんだけど。このやたらと腹立つ俺そっくりのカラクリ、マジで今すぐ打ん殴っちゃいたいんですけど。
自分よりも代理万事屋リーダーが頼られるとか、最近やたら自分そっちのけで仕事の話が進んでいくとか、そんなことはどうでもよかった。どうしてか、この顔を見ているとふつふつと腹立たしい気持ちが湧いてくる。
俺のコト、とんでもねぇ目に遭わせやがって――――……
「……ん? どうした兄弟?」
睨みつけていると、視線に気づいた金時と目があう。
「――――っ!!」
その目を見た瞬間、何かを思い出して、ゾクリとした。
「……い、いちいち腹立つ野郎だな。勝手に万事屋ん中をセンサーで監視なんかするんじゃねーよ。」
動揺を隠し、適当なことを口に出して誤魔化してはみたが、金時にはバレバレだったのだろう。ニヤリと、含みのある笑みで躱されて、金時は再び新八と神楽に視線を戻した。
――――な……んだ?
金時と目があった瞬間、身体の中に何かを感じた。じわりとした、何かを思い出してぶり返したような疼きに、混乱させられる。
……いや、何だって、コイツ相手に――――?
少しだけ体温が上がった気がする。訳が解らない。
それに、俺のコトを……とんでもねぇ目に遭わせやがって……って、コイツとは……そういうコトは…………
「……です。それから、できれば土方さんのお財布から出てた僕らのお給料や家賃、そっちを早めに土方さんに返しておきたくて、」
考えに集中していた銀時の思考は〈土方〉という単語が耳に届いた瞬間、目の前の会話に引き戻された。
新八が金時に自分の名義の通帳を見せながら、今後のことについて話しあっている。
「――って、おい。本気かよ。アイツから貰ってた給料返すって。何でだよ。イイじゃねーかそんくらい。確かにあん時の中身はあの野郎だったけど、身体は銀さんの身体を使わせてやってたんだぜ?」
「あと、身体が入れ替わっていた時、土方さんが万事屋として稼いで残していってくれてた通帳の残高は、実はこれくらいありまして、」
「どれそれ、」
「……って俺を無視すんじゃねえええええええ!!」
「つい先日まで、この貯金を切り崩しながら万事屋を切り盛りしていたんです。」
「結構な金額じゃねーか。」
「これが金さんに依頼をした時には、ご存じの通りの残高になってしまってて……、」
「なあ兄弟、何に使えばこの金額がこんなに早くなくなるんだよ。」
「主に銀ちゃんがパチンコで食いつぶしたアル。」
「――って、おい!? おめーと定春の餌代がどんだけかかってると思って……、」
「そうだとしても、まだ大丈夫まだ大丈夫と言い続けて、貯金の残高がほぼゼロになるまで、仕事もせずに自堕落な生活を続けてきたのは銀さん、アンタですよ?」
新八の容赦ない一撃が銀時に突き刺さる。
「真選組の副長サンは、随分とまあ気前よく金出しててくれたモンだねぇ。」
金時がちらりと銀時を見遣る。
「……う、それは……別にイイじゃねーか。アイツが出すつって勝手に出したんだから、有り難く頂戴しとけよ。」
「中身が土方さんになった時の最初のお給料なんかは、土方さんが自分のお財布から出してくれてたんですよ。滞納してた家賃も未払だった給料も、全部土方さんの貯金から出して貰ってたんです。」
「万事屋として稼いだ金じゃなく、副長さんの給料から……ってのは、スッキリしねぇよな。」
新八の言いたいことを察した金時が頷く。
「だから、その分だけはきちんと返しておきたいんです。」
「できた従業員じゃねーか。とてもお前の下で働いてるとは思えねーぞ。」
「……うるせーな。マジで打ん殴るぞおめー。」
「ま、任せておけよ。俺にかかればこの程度の金額、すぐに稼いできっちり副長さんに返してみせるさ。」
「……マジで? 本気で言ってんのか? この金額を稼ぎ出すとか、どんだけ働く気なんだよお前。」
銀時は通帳に記載されていた金額を指差す。
「てゆーか、そんな金額を土方さんに平然と出させておく銀さんの感覚に僕は今びっくりしています。」
「……う、ソレ……は、」
「金さんに来てもらわなきゃ、まるで返せる当てがなかったってことですよね。出させっぱなしにするつもりだったってコトですよね?」
新八は金時の横で腕を組みながら宣言する。
「働きましょう銀さん。とことん! 死ぬ気で!」
「新八と金ちゃんの言うコトがもっともアルな。銀ちゃんはこの機会に、マジメに働いてお金を稼ぐ習慣でも身につけてみたらいいアル。」
神楽も本日、朝から何杯目のおかわりか判らない白米を茶碗によそいつつ、金時側についた。
当然のように、定春も金時の隣でお座りの姿勢をとった。
「……っぐ、」
再び、味方がひとりもいなかった。
「ま、こういう状況だからな。夢見が悪くてお疲れのところ申し訳ないが、もうちょっとだけ、頑張って働いてもらうぜ。兄弟?」
「――――――――冗談じゃねぇ。」
ぐったりと肩を落として呻く。
それでも、逃げ道のないこの状況では、金時と共に必死になって働くしかなかった。
何しろ、ちょっとでもサボろうとすると、直ぐに新八と神楽のゴーサインがかかり、金時の真人間催眠にかけられてしまいそうになるのだ。
……マジで、勘弁してくれよ。
*
――――で?
あれから毎日新八が出勤してくるよりも早い時間から金時に叩き起こされて、日中はマジメに働いて、夕方はいつもの万事屋メンバープラス金時で全員揃っての夕食。
神楽と定春を寝かしつけて風呂に入ってから、大人とカラクリも大人しく就寝。
再び翌朝、新八が出勤するよりも早い時間に金時に叩き起こされる。
どこの小学生だってくらい、規則正しい日々の継続。
ここ一週間くらい、パチンコをしに行った記憶がない。賭場にも入った記憶がない。
酒を飲みに行ってない。
マダオとも遭遇していない。
スナックお登勢にタダ酒をせびりにも行ってない。
金時が来て以来、途切れることなく万事屋に訪れる仕事の依頼を、日々きっちりとこなし続ける。遊びもサボりもない。とてつもなく健全な日々を送っている。
今の自分には、マダオのマの字もない。
ニートだの無職だのただの無力な社会のゴミだのと言われていた頃の自分とはかけ離れた日々。
収支の管理は新八がしているが、既に滞納していた家賃もツケにしていた飲み代も、軽く支払える金額を稼いでいる。
毎日がとてつもなく真っ当で、健全で、健康的だ。
しかし日中の健全極まりない状況に反して、夢の内容だけが、相変わらず淫らで爛れきっていて、どこまでも不健全な日々が続いている。
……そういや、金時が来た日から……だよな。この状態。
自分の身体の感覚を確認してみる。
あんな夢を見ているにも関わらず、日中はまるで己の性的欲求不満を自覚できない。それどころか、寧ろスッキリしている。
不思議なことに、どんなに激しい夢を見ても夜中は目覚めることができない。いつも夢とは思えないほどの感覚に身悶え、それなのにどうしてかいつも声を出せず、ひたすら呼吸だけで喘がされていて『助けてくれ……』と叫んでしまいたいくらいなのに……だ。
朝、あまりにも激しくされた夢の内容に驚き、失態を案じて目を覚ましたこともあったが、下着はいつだって乾いている。当然のことだが、突っ込まれてぐちゃぐちゃにされていた処にも濡れた形跡は残っておらず、綺麗なものだ。
…………けど、流石に……な。
これ以上この状況を放置するのは限界な気がする。
そろそろ恥を忍んで金時にでも夜中の自分の状況を詳しく聞いてみたほうがいい。それであの訳のわからない夢から解放されるなら、今の自分の身体の状態をスキャンしてもらってもいいくらいだ。
何度も居間で寝ろと言っているのに、毎晩必ず自分と一緒の部屋で寝ようとする金時だ。何か知っている、もしくは、既に何かに感づいているかもしれない。
俺、実は毎日誰かも判らねー相手に突っ込まれて延々喘がされる夢見てんだけど、変な寝言とか口にしてねぇ?
そう。正直に伝えてしまえばいい。解決の糸口が見つかるかもしれない。
もしくは……
ここ一週間くらい俺の夢の中身がとんでもなく爛れてんだけど、俺の脳ミソん中どうなってるか調べらんねぇ?
そのように告げて、身体の調子を調べてもらえばいい。
そうだ。そうしてしまえば……――――って、ンなコトできるかあああああああああ!!
そもそも、俺がンなおかしな寝言口にしてたら、あの野郎が黙ってるわけがねーじゃねーか!!
夢の内容が激しいからって、確かに最初は神楽にも魘されてるみたいだって言われたけど!!
あれ以降は何も言われてねぇし!!
特に何も突っ込まれてねーってコトは、大丈夫ってコトじゃねぇか!!
ダルそうだとは言われるけれど、それは確かに現実にダリィからだし!!
ついでになんかいつまでも頭がぼんやりしてるけど!!
やたらモヤモヤして何かがひっかかってるような気がするけど!!
コレは連日の重労働による疲労の蓄積だから!!
そうに決まってるから!!
………………いや、ンなわけはない。
体力には人一倍自信のある自分が、この程度のことで疲労しているとは考えられない。
それなのに疲労を訴える身体。それも、特定の行為によって疲労させられていることを訴えている。あれは夢の中でしている行為だというのに、だ。
頭の中もボーっとする。何か大事なことを忘れていることがあるような気がして、すっきりしない。
どういう状況なんだよ。
毎日のように変な夢見て、魘されてんのが神楽にバレねーかどうか心配ばっかしてっから気疲れしちまうし。
夢見てるだけのはずなのに、特定の場所の筋肉がプルプルしてたりするし。
それにここ最近、金時と目があうと、どうもおかしな気持ちになる。
おかしな……というか、アレだ。こう、燦々と陽射しの降り注ぐこの状況ではとても口に……はしてきたが、万事屋の子供たちが一緒の状況ではとても口にできないような、アレだ。アレを思い出すんだ。
これは、今まではなかったことだ。
新八や特に神楽が一緒の時は、自然にオフになっていたはずのこのスイッチが、金時を見るとオンになってしまう。
爛れた大人のほうの自分が出てきてしまう。
金時の口が……エロい。
そう思って、自分は何を考えているのかと、ぎょっとして我に返る。
何故かあの口を見た瞬間、まるで昨日あった事実を思い出すかのような鮮明さで、あらぬ行為を妄想してしまった。
咥えられて、とてつもない心地良さでしゃぶられる妄想。カラクリ相手だというのに、人工的な硬さや温度は一切感じられない温かく柔らかな口腔に咥えられて、出なくなるまで舐め尽くされる想像。
――――なんっつう……コトを、考えて――――っ!!
己の思考の卑猥さに瞠目するが、頭は勝手に思い出して、反芻する。
繰り返された行為。
言わされた言葉。
施された手練の数々。
……いや、思い出してじゃねーだろ!?
どう考えても妄想だろコレ!?
第一、自分が見ているのは誰かも判らぬ相手にそうされる夢であって、その相手は金時かどうかも判らない。
……なのに、なんでソレがあのカラクリ相手ってなるんだよ。
夢だから相手が判らねーってだけで、そもそも俺にそういうコトをしでかすのは、――って決まって――――……
――――アレ?
決まって……って、――って、誰…………だっけ?