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カレイドスコォプ-5
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魔族だって普通のイキモノだ。
生きてりゃ腹が減る。
どうせ口にするなら美味いモンの方がイイに決まってるし、同じ喰うなら満足したい。
そんな当然のことを、いちいち否定しない。
けれど――――……
「――――っい、あ!」
強引に衝きたてた屹立で、銀時の身体を中から侵食する。
頚動脈を傷つけて血を流させると、白い肌に鮮やかな紅が流れた。
「……っんやぁ……ふ、あ、」
しがみついて、銀時の身体がビクビク震える。
人間ならば失血死だろうが、魔族の銀時がこの程度でくたばる訳が無い。
自分が流した血の匂いに、酷く飢えるだろうが。
「……たか……杉ぃ、」
血を失って、どんどん力の抜けていく身体。
あっという間に腹が空いてくるだろう。
失えば補おうとするのは当たり前のこと。
「……っやだ、」
空腹は、激しく血を欲する衝動に変わる。
「欲し……っい、っあ、」
弱い力で、縋るように此方の服を握り締める。
血が欲しくて仕方ないのだろう。
はくはくと辛そうに口を開く。
銀時の身体は不安定で、時折、それこそ本当に何の前触れも無く飢えて血が欲しい衝動に駆られることがあった。
今みたいに血を失った訳でもなく、傷を負った訳でも、自然に腹が減った訳でもなく。
突然、ただひたすら力の在る血を欲しがって、理性も何も無く望むまま、満たされるまで血を奪う。
あの人が居なくなってから、そういう発作みたいな衝動を起こすようになった。
沢山の人間も魔族も、手当たり次第に喰い散らかして、そんな自分を厭っていた。
俺の眼の前でそんな状態に陥って、出逢ったばかりの頃のように、不安そうに怯えて、助けを求めているかのような表情で
縋りつかれて、抱きしめた。
あまりにも脆い一面を垣間見た気がして、守ろうと思った。
他の誰にも、この銀時を見せたくないと思った。
この、莫迦みたいに強いくせに、繊細で、かと思えば意地汚くて図々しくて口も悪くて……
けれど、とても真っ直ぐで、綺麗なイキモノを。
「銀時ィ、」
力の入らない手で必死に爪をたてようとする。
カリカリと肌を掠めるだけのそれが、くすぐったい。
額に口吻けて、両腕を掴まえ、頭上で一まとめに押さえつける。
「欲しいモンなら、与えてやってんだろうが。」
「――――ひぃ……っあ!」
勃ち上がって雫を零す銀時の屹立を掴んで、手加減無しに腰を打ちつける。
血の匂いと体液の混じる濡れた音は銀時の飢えを煽るから、わざと音をたてるようにして中を抉る。
押し広げる内壁が痙攣するような動きで絡みついてくる。
「……っく、」
此方にとっても堪らない刺激。
「や……ちが……っう、そ……じゃ、無い、」
涙を零して縋る表情に、ぞくりとさせられる。
ふたつの飢えに苛まれて乱れる、欲しがる銀時は尋常ならざる色。
何度しても、その度にこんなにも酷く煽られるのだから、恐ろしい。
「高……すぎ……ぃ、」
甘い声で血を求める。
白く、ふわふわとして、庇護欲を掻きたてられる。
「――――っひゃ、ぃあ、んあ!」
その銀時が余裕の無く乱れると、満たされて、満たされた側から煽られる、征服欲。
揺さぶられるまま、此方の芯を煽る声で啼く。
大抵のヤツが、銀時をこうまでする前に、血も魔力も奪われて消えてしまう。
だから、これまではこんなことは無かった。
「まだ……あの狗のニオイがする。」
「……っふ、あ?」
「てめェに纏わりついてる。」
銀時の身体に、他の気配など無かった。
「だ……って、」
銀時を満たせるだけの力の在る魔族。
コイツに喰われて、コイツを抱いて、生きていられる相手。
「い……って、」
知らず、銀時の腕を掴む手に力が入っていた。
「てめェは……誰にもふれさせねェ。」
俺が守ると決めた。
「俺以外を頼るなんざ、赦さねェ。」
これは、俺のものだ。
「……ん……ぅあ、」
強い口調で云ったが、銀時には聴こえていないようだった。
涙に濡れて、胡乱な双眸。
血を流し過ぎたらしい。
肌が蒼白くなって、冷たくなってきている。
「……銀時、」
拘束していた腕を放してやった。
頚をさらして、銀時の口元に近づける。
「……ん、ふ……く、」
「――――っ、」
咬みつかれた途端、そこから身体の芯に向かって這うように何かが広がっていく。
「……相変わらず……だな。」
身体が熱い。
幾度繰り返しても慣れない、激しい衝動。
欲しいままに銀時の身体を貫く。
「――――っひゃ、んあぁあ!」
これ以上は進めないくらい腰を沈めて、内壁を押し広げて中を擦る。
激しい動きに一際高い声で啼いて、銀時が吐精した。
それでも動きを止めずに穿ち続ける。
屹立を締めつけるやわらかい中が、びくびく震えている。
「こんなんじゃ、足りねェんだろ。」
「や――っんぅ、」
吐精した瞬間に離れてしまった銀時の口を、抱きしめるようにして自分の頚へ導く。
耳元でこくり、と銀時が喉を鳴らす。
どんどん奪われていく血液と思考。
それに反比例して、増していく衝動。
「……っんぅ――――ッ!! ん……っんぅ!!」
頚に咬みついたまま、くぐもった喘ぎを零す銀時を、ひたすら攻める。
奥を抉って、びくりと身体が跳ねる処ばかりを狙って穿つ。
足りねェ……
もっと、もっと、と身体の底から湧きあがってくる。
滅茶苦茶にして、奪いつくして、消し去ってしまいたい。
俺の血で満たして、俺の魔力で満たして、塗りつぶしてやりたい。
「銀時――――っ、」
「……っん、んぅ――――ッ!!」
一際深く奥を突き上げると、再び銀時の身体が大きくびくりと震えた。
「……ぷぁ、」
同時に必死で咬みついて放そうとしなかった頚から、ようやく口を放す。
「や……ぁ、」
頬が紅潮して、肌に精気が戻っている。
ようやく、足りたらしい。
「高杉……、も……いぃ、から。」
此方は少し、奪われすぎて眩暈がしそうだ。
「足りた……か?」
「……っひう、」
云いながら、達した余韻に震える中を掻きまわすと、小さな悲鳴があがった。
「足りた……から、」
先程より、もしっかりとした力で俺を押しのけようとしてくる。
「つか、ん……っあ、動くな!」
「あぁ?」
「こっちの方が……も、無理……って、」
まだ繋がっていて、抜き挿しの度にぬち……だの、くちゃ……だの音をたて続けている場所を示される。
「どこが無理だよ。たった今、俺のお陰で回復しただろうが。」
「別モンダ……っイ、やあ!」
今度は純粋に抱きつかれて悲鳴が上がる。
中だけじゃなく、膝も内腿もガクガク震えている。
「てめェは足りても、こっちが発散しきれてねェんだよ。」
「んあ、お……ぃ!」
ベッドにうつ伏せにして、腰だけ高く持ち上げる。
「てめェの食事は終わったんだから、後は俺が優先でイイな?」
「っや、無理だって……云った……ろ!」
「無理じゃねぇよ、まだ勃ってんだろうが。」
尻の狭間すら白い肌に指をあてて、繋がっている処が良く見えるように左右に押し広げる。
「や……っめ、」
埋め込んだものを引き抜こうとすると、放すまいと絡んでくる。
少しだけ見える中の鮮やかな紅。
厭がる銀時に聴かせるようにして音をたてる。
「ひ……っや、んあ、」
耳を塞いで逃れようとするから、両腕を掴まえて力任せに引き寄せた。
「――っい、や……っら、もぉ、やあ……っあ!」
貫いて、ひたすら内壁を引き摺る。
中を抉って、奥を目指して腰を進める。
屹立をつきたてる。
他の男が居た跡を消し去るように
「高杉……ぃ、死ぬ……って……ば、マジ……で、」
「こんなことじゃ、死なねェよ。」
血を与えた分だけ与えられた衝動を、総て銀時の身体にぶつける。
「ヤダ……っ、おかしくなる……っから、」
「なっちまえ……っ、」
身体が熱くなりすぎて朦朧としても、求めるがまま。
「なって、一生、俺だけ……喰って生きればイイだろ。」
「――――っひあ、あ……っふああ!」
啼き続けるだけの銀時をひたすら貪る。
「ぎ……ん、時っ、」
俺以外の気配を、俺以外の臭いを、俺外の跡を――――……
「……――――っ!!」
全部塗り潰してやるまで、声にもならない悲鳴を上げて、銀時が達し続けられる限り、ただひたすら、身体を繋げ続ける。
20140418改(KTサイト90000打リクエストより)